読み物

2021/01/30 03:08

おはようございます。土曜です。ドは土鍋の「土」!お鍋が美味しい季節。鍋にはいろいろありますが今の我が家は割れない銀色のステン?アルミ製の土鍋です。前までは文字通り土もの、焼きものでしたがそれは矢張り割れる、ヒビが走るので代えたのです。

実際社内のテストキッチンで鍋の試食があり出汁を沸かして準備してテーブルにしばらく置いていると足元が濡れていることに気づく。
誰かがぶつかって溢したなぁくらいにしか思っていませんでしたが一緒にいたメンバーが「土鍋割れていませんか?」と言われておやおやおや?ピシッとまっすぐに亀裂発見!活断層がまさかあったなんて直火で冷たいところから沸かすのと乾燥していたお鍋なので余計に脆いのか結局捨てる羽目に。
それを考えると割れないを前提に選んでしまいます。洋食出身なのでル・クルーゼやストウヴなどの琺瑯、鋳物もいいのですが重いのは難点ですが使い勝手も見た目もとてもいいので好きです。現場時代でもストウヴはオーブンにほり込むことが出来るので炊き込みピラフ、リゾピラフなどにはもってこい。お客様受けもいいので提供するにしても器でお金が取れるワクワク感も一緒に提供できます。
過去の話ですがある大手企業の社長が外国の方を連れてご予約いただき『イマダシェフにお任せ料理で今夜は!』と言われ〆にリゾピラフを用意して最終仕上げまでを準備しウォーマーに入れて保管。メニューは「イベリコ豚とキノコのリゾピラフ」をスタンバイして後は320℃のオーブンで焼き上げるだけの状態。
料理を色々提供してそろそろ〆料理の出番!ここで最後はイマダ自身が出向きお礼と蓋を開けて湯気もご馳走なので香りを楽しんでもらってのトークを展開し喜んでもらおうとここまでの演出はバッチリ!
ホールスタッフが取り皿をお客様に提供してテーブルの真ん中にクロスを鍋敷き代わりに設置したお皿をおいて真打ストウヴ鍋をもってイマダシェフ登場!お客様の興奮もビンビン感じてきます。ある程度本日提供したお料理の感想やくだらない冗談を交えて『では!』とお客様に見えるように蓋を取ると立ち上がる湯気と供に湧きあがる歓声?なぜか笑い?すかさずお客様から『流石イマダシェフ!面白い演出』と絶賛?おかしいと思い鍋の中身を覗くとなんと空っぽの鍋から湯気だけが立ち上がる浦島太郎の玉手箱状態。
種を明かすとウォーマーにもう一台からのストウヴ鍋が入っていたのです。それに気づかずオーブンで焼いていたので肝心の仕込んだリゾピラフはウォーマーの中!久びりに恥ずかしい思いをしたのですがお客様にはそのことが一番印象に残った良い演出だと外国のお客様に特に褒められたことがあったのです。湯気を楽しんでもらうがあまり、蓋を開けずに提供したのが失敗でしたが、其れも美味さに変える俺は凄いという鍋に関する自慢話でした。

オリーブオイルにニンニクを加えて香りを出し市場に並ぶお魚と香味野菜、トマトの水煮缶詰め、水、を加えてコトコト煮込んで美味しいお魚のスープ”ズッパ・ディ・ペッシェ”を仕込みたくなるのはイタリア料理をやったいた時代の名残なのか。すべてミキサーにかけて裏ごししてスープを取りフィレに捌き骨を抜きソテーした魚を浮き実に。実に手間はかかるが美味しいセコンドピアット(第二の皿)である。パスタを添えてピアット・ウニコ(第一と第二の皿の良いとこどりの皿)も趣よし!